み・らいず2

み・らいず から み・らいず2 へのストーリー


「み・らいず」の原点

私たちの原点は、一人のお母さんとの出会いにあります。そのお母さんには、障がいのある息子さんがおられました。
この出会いによってガイドヘルパーを始め、キャンプを通して今の仲間と出会いました。お母さんの思いを知り、何とかしたい、そのためには息子さんをはじめ出会った人たちの地域での暮らしを支え続けようと思い、み・らいずとして活動を始めました。

み・らいずを始めてから、多くの出会いがありました。 普段の食事やお風呂、遊びに行くことや、学校に行くこと、就職することなどが難しい人。誰にも相談ができなくて困っている人。そしてその人たちを支えたいと思う人、み・らいずを応援してくれる人。多くの人に、多くのことを教わりながら、出会った人たちに必要な支援を考え、つくり続けてきました。

2010年、原点であるお母さんが亡くなりました。息子さんは施設に入所されることになりました。息子さんにこの家で安心して暮らし続けてほしいという、お母さんの思いを、私たちは支え続けることができませんでした。 その後も、出会った人やその家族の期待に応えられなかったこと、一緒に働くスタッフにつらい思いをさせてしまったこともたくさんありました。支えたいと思っていても支え続けることの難しさを痛感させられました。

それでも、どうすれば誰もが当たりまえに地域で暮らすことができるのか、自分たちが何をすれば関わる人が幸せになるのか、み・らいずだからこそできることは何かを常に考えて活動を続けてきました。
その中で見えてきたのは、もっと早く、子どもの頃から本人に合った支援があれば、ということでした。誰もが子どもの頃から様々な経験と学びを得て、自分の意志でいろんなことにチャレンジできるようになれば、と考えたのです。

2018年、「み・らいず2(ツ―)」へ

これからの子どもたちの支援をつくっていくためには、これからの世代の力が重要です。支えたいと思った人を支えられなかった、で終わらないために、今まで以上に挑戦を続けなければなりません。その意気込みを込めて、名称を変更することにしました。 ひらがな表記の「み・らいず」には、誰にとっても読みやすく、覚えやすいように、という思いを込めていたので、バージョンアップを表すために「2」をつけて「み・らいず2」に決定しました。

これからは、子どもの支援を

み・らいず2は、今この時だけでなく、子どもたちの将来をも見つめる支援を行っていきます。大人になってから出会った人の中には、自分でできたかもしれないことを人に任せるしかない人、自分の意思を伝えることが難しい環境で長く過ごしてきた人などがおられ、私たちも難しさを感じたり悔しい思いをしたりすることが多くありました。
できるだけ早く出会って、小さい頃から関わることで、大人になってから福祉サービスが不要になる、または必要なサービスを使える力を持って生活できる環境を作ることができるかもしれない。そうすることで、未来を変えられるのではないかと考えています。

「困る」を未然に防ぐ

一般的に、福祉サービスは困った時のためのものと考えられています。私たちが挑んでいくのは、「困っている状態」を未然に防ぐことです。お子さんや親御さんと出会った時点では、ニーズが表面化していない状態かもしれません。しかし、お節介だと思われようと、私たちは支援を届けていきたいと考えています。
これまでの約20年で、数多くの障がいのある人、困難を抱える人に出会い、その中で施設入所を選ばざるを得ない状況をこの目で見てきたからこそ、その状況を何とかして食い止めたい。「我が子はそうならない」と思っている親御さんや、「無理なものは仕方がない」と感じている福祉事業者も多く、自分たちが取り組んでいくことをいかに理解してもらうか、共感してもらうかが重要な鍵となります。

そのために、「み・らいず2」は、子どもを取り巻く環境や社会にも積極的に働き掛けていきます。より身近なところでニーズの芽をキャッチするため、また、子どもの頃からの関わりの重要性を共有するためにも、福祉や教育、医療など、子どもたちに関わる人たちと出会う機会を多く持ちたいと考えています。また、地域の様々な機関にリーフレットを配る、研修会やセミナーを開催するなど、啓発活動を行っていきます。

子どもの頃から、本人も、家族も

障がいのある人が、必要に応じて福祉サービスを自分で選択して生活できる環境をつくるためには、本人とその家族が幼いころから社会や福祉サービスと関わりを持つことが重要だと私たちは考えています。子どものためのサービスを充実させ、そして親御さんへのサポートも行うことで、家族全体に良い影響があるのではないかと考えます。

福祉サービスは、サービスを利用する人の幸福、ひいてはその家族をはじめその人に関わる人たちの幸福に繋がるものでなければなりません。また、「一時しのぎ」のものではなく、課題を本質的に解決するものであるべきだと考えます。本人が自分らしく社会で生活していけるよう、まだ目には見えていない課題を事前に認識し、本人、家族、私たちがチームとして取り組むことで、本人にとっても家族にとっても、生活が広がるのではないかと考えます。
従来の福祉には「預かる」という概念があり、自宅で介助を受けている人を、その家族から離すことが家族の休息になると言われてきました。ガイドヘルパーとの外出も、家族に休息が必要だから、との理由で行われることもありました。しかし、本人にとっては突然現れた他人と見知らぬ地に出かけ、食事をし、やっと夕方に帰宅するという、精神的にも肉体的にも負荷がかかる一日だったかもしれません。ヘルパーが本人に楽しんでもらおうと提案したことが、逆に本人の負担になっているかもしれません。

子どもの頃から、自分の思いを伝えたり、人の話を理解したり、自分で選んだりする力を身につける。成長するにつれて社会の中で家族以外の人との繋がりをもち、自分の時間を誰とどのように過ごすかを選んで実行できる。気の合う人と好きなところに出かけたり、新たなチャレンジをしたり。自宅で一人好きなことをしたり、時には気の進まない付き合いもあったり。家族のために使う時間もある。 本人だけでなく、家族も、その人に関わる人もともにそんな暮らしを目指す支援をしていきます。

人と社会の狭間を見つめる。

高校を中退して何十年も引きこもっていた人や、親御さんが亡くなり住む場所がなくなったニートの人など、社会との隔たりがある人に出会うたび、もし小学生の時や10代の頃から関われていたら、成長に合った支援ができていたら、彼らは働けていたのではないかと感じることも多々あります。本人は、長年の葛藤と非常に不安でつらい状況を抱えて外に出てくるのに、たった数人の支援者や相談員が、状況を的確に見極めてその後の人生をサポートしていかなければならないのは、支援として不十分であることは明らかです。もっと早く、課題に埋もれてしまう前に、SOSに気づいて支える人を増やしていかなければなりません。

「み・らいず2」のみらい

 「み・らいず」から「み・らいず2」へバージョンアップするといっても、これまでの課題が解決したわけではありません。チャレンジすることは山積みであり、これまでと同様に最大限、真摯に取り組むのみです。出会った人々を支えたい一心でサークルを法人化させ、無い知恵をしぼり、常にこれでいいのかと悩み、自分たちの限界を感じながらもそれを乗り越えようと懸命に取り組んでこられたのは、ともに働くスタッフ、み・らいずを選んでくださった方々、応援してくださる方々のおかげだと思っています。そしてこれからも力を合わせて取り組んでいけることにやりがいや喜びを感じています。

 設立後15年以上が経ち、今まで関わった方々も新たなステージに進んでいます。成人した、元気に働いているというニュースを聞くたびにうれしく思い、スタッフみんなで喜びを分かち合っています。創業メンバーがそうであったように、学生がガイドヘルパーを務めるという文化が現在も根付いているのも、とても重要なことだと考えています。これからは、もっと「福祉」が流行ってほしいと思います。学生時代に福祉を通して社会と関わった人々は、人や社会の幸せを考えながらその後の人生を歩んでいるように感じます。関わる学生が増えることで、社会がより幸せになるのではないかと考えています。

また、女性が経験や能力を活かして活躍できる場としても、柔軟性や当事者性のあるNPOという選択を広めていきたい。
さらに将来的には、スタッフの子どもたち世代が「み・らいず2」マインドを継承してくれれば最高です。

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